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  大和高田(街道筋)
やまとたかだ
 下街道と横大路沿いの街並み
 奈良県大和高田市大中南町・永和町・北片塩町

 構成:商家・町家 ■ 駐車場:なし
街道筋
 

大和高田は江戸初期にこの地を領した桑山氏によって誘致・建設された寺内町以前から、大和国内の主要街道に面した交通の要衝でありました。裏返せばそれゆえに桑山氏はこの地のさらなる発展の為に寺内町を建設したものと思われます。
高田の町を東西に通る初瀬街道(伊勢街道)と東西に走る下街道は共に古代よりそれぞれ横大路と下ッ道と呼ばれた古い街道で、その2つの道が交差する辻が、現在の主要地方道5号・大和高田斑鳩線のさらに東側にありました。旧下街道は近鉄南大阪線高田市駅の南側、三倉堂南で国道24号線から反れ、弧を描く様にJR高田駅前を通過して県道132号・河合大和高田線へ合流する細い道筋で、北片塩町と永和町の接する2つの街道の辻には明治に設置された道路元標が今も残ります。
この旧下街道と高田寺内町の間だを蛇行するように走る、主要地方道5号・大和高田斑鳩線は、近年まで本来の高田川だったのです。長い間高田の町の悩ませていた高田川の水害への対策として現在の高田川である新河川の開削・付け替え工事が行われ、廃川となった旧高田川を有効利用する為に埋立て現在の道路が生まれました。
古い町割りのまま狭い道路しかなかった高田の町では南北に縦貫する2車線の道路が
長い間待ち望まれていたのです。

かつて横大路と呼ばれた旧初瀬街道も現在の車社会では車同士の離合が難しいほどの狭い道筋であり、車同士がすれ違う際には古い町家の軒下へ幅寄せが行われ、それゆえかどうかは分かりませんが、街道に面した古い建物の軒下にある犬走りには、背の高い格子状の駒寄せがどの建物も見事に設けられていました。
かつての寺内町であった内本町の町家にくらべ、旧初瀬街道や下街道沿いの建物は老朽化が目立ち、保存再生がまるで行われていない様子が一目で分かる状態でした。
商店街に埋もれ分断化した内本町に比べると、比較的連続した町並みが残る旧街道沿いの町並みこそ、早急な対策が望まれます。



 
 
大和高田の酒蔵          
清酒 「菊水」 狐井屋 奈良県大和高田市内本町4-1 0745-22-2369