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市村

いちむら

江の川水運下流の中心として栄えた集落

島根県江津市松川町市村

 



江津市の中心市街がら江の川に沿って東へ約6kmほど遡った左岸に、松川町市村という街村形態の集落があります。この市村は江の川に都治川が合流する地点の自然堤防上に形成された集落で、もともとは、川登・川上(かわのぼり)と書かれ、古くから江の川水運の中心地として発展していた場所でした。鎌倉末期からこの地域を支配する川上地頭の在住地として政治の中心地となり、早い時期から市場も開設されていました。




「市村」という地名は、12月20日の歳の市にちなんだもので、江戸時代初期に川上から改称されます。市村は対岸の南川上と結ぶ渡船場として発展。また江の川交通の要衝として川登口御番所が置かれていました。ちなみに現在の松川橋はかつての渡船場の跡に建てられたものです。




明治22年に市村、長良、上津井、畑田の4か村が合併して松山村が成立。この松山という地名は、市村集落の東側にある山に鎌倉時代末期、川上房隆によって築かれた松山城(別名・川上城)にちなんだもの。昭和9年に松山村と下松山村が合併して松川村と改称。昭和29年に江津市に合併して現在の地名に至ります。






国道261号線は集落を見下ろす堤防上を走り抜けるため、のどかな街村が残ります



酒蔵情報

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