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都野津

つのづ

古代の国際港にして都野津商人の栄えた町

島根県江津市都野津町

 



江津市の中心部から西へ約6km、隣り町の都野津町は石見国那賀郡のほぼ中央に位置し、石州瓦生産の中心地として知られています。この都野津歴史は大変古く、16世紀の中国の文献にも「撤奴市(つぬつ)」という記録があり、古くから栄えていた湊津(港町)であった事がわかります。
江戸期は浜田藩領で、都野本郷といわれて地域の中心地であり、かつ沿岸漁業の中心地としても発達し「都野津の朝売り」と呼ばれた生魚の行商は奥部山間部にまで進出。やがて都野津商人の礎となっていきます。鮮魚の行商に始まった都野津商人は、その後衣料や生活品まで取り扱うようになり、都野津は沿岸部と山間部の接点として発展。このため浜田藩はこの地に番所を置いて交通の監視を行っていました。




こうして都野津の町は江戸後期から明治期にかけて呉服、衣類行商で中国地方一円に商圏を広げた都野津商人の根拠地として発展し、今もなお往時の繁栄を偲ばせる町並みが残されています。町の一画に建つ擬洋風の銀行建築はこの町で早い時期に金融機関が設立されていた事を物語り、また江戸期には旧山陰道に面した家々は間口の制限を受けていたであろうと思われる町並みの、その一方で一歩裏手に足を踏み入れると、かつて莫大な富を蓄積した都野津商人の豪邸が数多く残されていることに町の長い歴史をうかがい知ることができます。












日本海に面した旧山陰道沿いの町並みとしては島根県有数の規模を誇る都野津町


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