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田布施

たぶせ

室戸半島の付け根・2つの市場町から発展した在郷町

山口県熊毛郡田布施町波野

 



田布施町は室津半島の付け根に位置する町で、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された白壁商家(古市金屋地区)と甘露醤油の町として知られる柳井市の西に接します。山陰本線沿線では柳井市と光市の2つの都市に挟まれた小さな町の印象ですが、実は岸信介、佐藤栄作と2人の内閣総理大臣を輩出した町でもあります。

JR田布施駅周辺に町の中心があり、古い町並みは駅前地区の東側に広がる閑静な住宅地の一角にひっそりと残されています。田布施の町は田布施川の河口からだいぶ遡った場所にありますが、中世末期まではこの近くまで内海がきていました。大潮による干満もあって”唐戸の迫門”と呼ばれていたとか。やがて天正年間から干拓による新田開発が始まり、次第に海から遠くなっていきました。田布施は柳井津や室津に通じる街道の要衝で、隣接する波野にそれぞれ市が立っていました。田布施市は町並みが3筋あり、月に2回の市立。正月4日の初市と12月26日に開かれる暮の市は特に賑わったといいます。一方波野市は町並みが2筋あり、高札場と送場があり、月に3回の市が立ちました。


古い町並みが残るのは波野の方で、比較的大きな商家がまとまって残ります。虫食い状態に取り壊しと宅地開発が進み、隣の柳井に比べると町並み保存としては厳しい状況にあります。















波野地区の家並み

酒蔵情報

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