広島県中部の中核都市である三次市と庄原市。いずれも中国山地南側に開けた盆地に形成された都市で、古くより三次は城下町、そして庄原は市場町として発展していました。
庄原には、中世より盆地の中心部に開けた”庄原市(いち)”と西城川河岸段丘上 に開けた”三日市”の2つの市場町が発達し、互いに競合しあって町は発展します。
現在庄原市の中心市街となっている本町がかつての庄原市として発展した場所ですが、もはや往時を偲ばせる遺構は残されていません。一方で河岸段丘上に発展した三日市には、ゆるやかな坂道を下る旧備中新見路筋に沿って古い街並みが残されています。
庄原市街で慢性的に発生した渋滞を解決するた、町を迂回する国道バイパスが作られましたが、市街地への入口である三日市の交通量はそれなりにあります。
三日市の街並みは、切妻平入塗籠造りに卯建をもった商家が軒を連ねていますが、坂の上にいくほど建物は大きくなり、海鼠壁をあしらった重厚な商家へと変わっていきます。
坂の上のカーブに建つ旧家の屋敷前だけに「建物の防御」の為のガードレールが設けられており、痛々しさを感じます。
|