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  鞆浦
ともうら
 かつて陣屋が置かれた海上交通の要衝、今は静かな漁村
 徳島県海部郡海部町鞆浦 【徳島県海部郡海陽町鞆浦】2006年合併

 構成:厨子二階塗籠切妻平入民家 ■ 駐車場:なし
 
 
四国の東海岸を走る牟岐線。その終点である海部町は鞆浦港を中心に発展したちいさな町です。海部町は大部分が山地で、海に面しているのは実は海部川河口のわずかな面積しかありません。この河口に開けた小さな港町は三方を山で囲まれ、「鞆の形」に似ていることからかつては「鞆」と呼ばれていた事に始まります。

古くから海上交通の要衝であり、戦国期には豪族海部氏の「鞆城」も築かれていました。江戸期の土佐藩時代には鞆城は廃城となり、代わって陣屋が置かれ海部郡における軍事・政治の中心地でした。しかしその後、陣屋も日和佐へと移されます。

現在はひっそりとした静かな漁村です。建物の多くは大正から昭和初期に建てられたものがほとんどですが、メインストリートや路地浦にかけて塗家造りで本瓦の重厚感のある民家や千本格子の街並みなど、一風変わった漁村風景がそこにありました。