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古い町並み・集落探しの旅

 

はじめに

 

古い町並み・集落探しの旅

 

日本酒と酒蔵の旅 

 

地名と分類

 

参考文献

 

作者紹介

20代前半に、念願の「自家用車」を所有してからというもの、休みがあれば日本全国を旅をしていました。旅の動機は雑誌や本の影響があったのですが、それよりも私があまりにも自分の生まれ育った国である「日本」を何一つ知らない事に気が付いたからでした。恥ずかしながら、富士山が具体的にどこにあるのか、何県すら知らなかったのですから。
テレビや映画でいろいろな町が舞台になりますが、それらの地理や歴史に関して、まったくの無知だったのです。

そういった事もあり、自由な移動手段を手にして、有名な観光地を片っ端からまわりました。海や山、町、村、風土、食べ物そして温泉・・・。
しかし山間部や僻地を除いてどこへいっても同じ街並みに、すこし飽きが来ていた矢先、偶然古い町並みを紹介した本を目にしたのです。 山と渓谷社の「歩く旅シリーズ」です。

旅の視点が変わりました。映画のセットのような本の写真が現実の風景として目の前に現れたとき、まるで未知の世界へ踏み入るかのような興奮を覚えました。
「今の日本に、まだこんな風景が残っているのか?」
さっそく書店で、ネットで「古い町並み」について調べました。
あるわあるわ、全国に実は多くの街並みが現存している事を。山奥の小さな村には、いまだ茅葺きの農村風景があることを。

模して造られたテーマパークなどでは無く、実際に人々の生活がある生きた風景。もういてもたってもいられなくなり、町並みや集落めぐりの旅が始まりました。かつての宿場町には旅籠が残り、城下町には武家屋敷や商家。土蔵や茅葺き屋根の農村に舟運で栄えた湊町、河港町・・・・。それらは京や奈良の古刹に匹敵する「日本の文化遺産」です。

しかし、それら失われていく時代の早さも知りました。カメラを自宅に忘れ再
度訪問したときに、わずか数ヶ月まえに見た風景が消え去っていた。こうしている間にも日本のどこかでまた一つ町並みや集落が消えている。
建物の修復・維持にかかる莫大な費用。不便な生活。街並みが消える現実を憂いていながらも、 そこに住まう人々の苦労をどれほど理解しているのか自問自答。財政危機が叫ばれる現在、国や自治体にその費用を求める事に、なんの理由や正当性があるのか?しかも、文化博物園に移築することは臨んでいない・・・。
そんな今の私に出来ることは、町の歴史とともに歩んできた「風景」が、そこにあった事を「知る」。そして「記録」する。できれば広く紹介したい。

話しはそれますが、以前の私はマイホームを建てるならコンクリート打ちっぱなしにガラス面を多様した近代建築を夢見ていました。しかし、昨今は茅葺きの民家か町家を「古民家再生」して住みたいという「野望」に変わりつつあります。もちろん、ただの修築ではなく自分なりにアレンジしたい。
その場合、細部をどのようなしつらえにするか、どういう材料を使うかなどなどそのような観察や勉強も、町並みめぐりの旅に新たな動機として加わりました。さしあたって、先立つものはありませんが・・・・。






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