落合宿は小さな宿場町です。中山道の宿場町で木曽路への入口にして美濃への玄関口でもありますが、すぐ隣りに商業都市でもある中津川宿が実質的に美濃の玄関口として位置づけられており、また古い町並みのさきがけとして一大観光地となった隣の馬籠宿や妻籠宿の為に、忘れ去られたような存在になっています。
落合宿は恵那山の北西傾斜地に立地。いくつもの支流が落ち合い、落合川となって木曽川へ注ぎ込むことが、集落の名の由来となった。峠をひかえた間の宿的な印象を受けるものの、宿の長さは3町35軒。下町、中町、上町、横町からなり、旅籠屋14軒の他、本陣1、脇本陣1、問屋は脇本陣塚田家が兼ねていたが、商家は無く、家数75軒、人口は370人の小さな村落であった合宿は貧しい宿場町だった。
古い家並みもほとんど無く、訪れる人間も少ないながらも、本陣跡が残ります。
落合宿の庄屋もつとめた井口家の屋敷で、文化12年の大火で焼失し、その後の再建の際に加賀藩前田家から火事見舞いとして贈られた門が今も残ります。今もその子孫が生活している為、見学はできません。かつては向かいに脇本陣塚田家があったもの
の、今はありません。
本陣猪口家の門以上に落合宿のシンボルと言えば、善昌寺境内から道路に張り出している「門冠の松」である。樹齢は450年を越えるこの松は、もともとは同寺院の山門を覆っていましたが、明治24年の道路改修で寺は東側に移され、松はそのまま残されたのです。
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