一路一会
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丁ノ町
ちょうのまち
紀ノ川上流の酒どころだった伊都郡の中心地
和歌山県伊都郡かつらぎ町丁ノ町
旧・酒蔵(屋敷・土蔵)・伝統様式古民家・土蔵
なし
JR和歌山線・妙寺駅
丁ノ町はかつらぎ町の中心部である。といっても丁ノ町には駅は無い。最寄りの玄関口は妙寺駅であり、なにより町役場がある以外は特にこれといっては、何もありません。
警察署や裁判所、病院など官公庁は東の
妙寺
・飯降地区にあり、また商店街を中心とした町の繁華街は西の
笠田
駅付近に集まっています。
丁ノ町は鎌倉期から見える地名で、金剛峯寺の荘園内の農村であったらしく、江戸期には妙寺25ヶ村の中心として、丁町組と呼ばれた大庄屋の行政区の中心だったといいます。しかしそれ以外には特に在町としての記録は見あたりません。
江戸記にこの紀ノ川上流の豪農が農間余行の建前で酒造業を行い、伊都郡・上那賀郡は清酒の一大産地となります。これらの酒は「川上酒」と呼ばれ、和歌山城下を初め瀬戸内海沿岸から大坂、そして江戸まで販路を広げていました。丁ノ町には17軒もの酒蔵があり、川上酒の実に64%を占めていたのです。そんな丁ノ町の酒蔵も現在は安永9年(1780)創業の帯庄酒造だけとなってしまいましたが、残念ながら最後の灯火も消えてしまいました。
この帯庄酒造の建物はこのまま廃墟となり、取り壊すのは惜しいほど荘厳な佇まいをしています。町の文化遺産と言っても過言ではありません。
国道24号線の北側は純農村地帯で町並みといった物はありませんが、帯庄酒造の周囲には伝統的な佇まいの農家が集まっています。
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かつらぎ町の酒蔵
清酒
「寿久」
野半の里
(野半酒造店)
和歌山県伊都郡かつらぎ町佐野702
0736-22-1005
清酒
「初桜」
初桜酒造
和歌山県伊都郡かつらぎ町中飯降85
0736-22-0005
廃業
「鶴の瀧」
帯庄酒造
和歌山県伊都郡かつらぎ町丁ノ町551
0736-22-0002
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