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大瀬
おおせ
 山間の遍路道に残る古い町並み
 愛媛県喜多郡内子町大瀬中央(成屋地区)
商家  資料館P JR予讃線(内子線)・内子駅からバス
 
 

内子町の中心部から東へ小田川に沿って遡る事約10km、大瀬という集落があります。ノーベル文学賞の大江健三郎氏のふるさととして知名度が上がったこの集落は、旧・上浮穴郡小田町(現在は内子町に合併)と内子町の丁度中間点に位置し、大瀬地区では最大規模の街村を成している成屋地区(成留屋)は町並み整備事業によって往時を偲ばせる風景作りが進められています。

小田川沿いのわずかな段丘上に開けた大瀬の町は、かつては小田村からの木材の搬出に筏流しが行なわれていたころの中継地であり、また現在の国道379号線は遍路道であり、それなりに人や物資の往来があったようです。ちなみに内子町域には札所は無く、前後の札所は宇和島郊外の現・西予市卯之町にある第43番札所・明石寺から現・久万高原町にある第44番札所の大寶寺と遠く離れています。

内山地域は江戸期から大洲和紙の生産地でしたが、この大瀬地区は内子紙役所管内で最多の紙漉業者がおり、その数はおよそ500人を超えたと言われています。そしてこの唯一の町場であった成屋には、江戸末期から明治にかけて約4,000人の人口を有していたのです。現在も600人ほどの住民がおり、日々町並みの修景に取り組んでいます。
次ぎの整備では電柱の撤去と石畳化が進められるそうです。

町のシンボル的な存在である旧大瀬村役場は交流施設「大瀬の館」として保存されていて、郷土資料の展示の他に、宿泊もできます。(1名4,000円)内子町の中心部への車で30分ほどなので、都会を離れて山里に身を置く、数日間滞在するにはもってこいの場所だと思います。



 
 
大瀬の名物「志ま崎」の焼鯖の煙が上がる