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南牧村を走る路線バスは羽沢勧能で終点となる。道はここでで追分けとなり北へ延びる本線は馬坂集落・田口峠を経由して長野県臼田町へ続く旧信州姫街道。もう一方の南へ延びる道は、余地峠を経由して山梨県へ続く中世の甲州街道でした。この中世甲州街道は武田信玄の上州侵攻における軍道として戦国時代に開かれ、江戸時代になると信州佐久米がここを経由して砥沢に運ばれる重要な道となり、陸の孤島である上州羽沢にとっての生命線でした。熊倉集落を縫うように登るこの旧道は、現在通行不能となっており、南側に新しく整備された林道が熊倉集落から分岐して大上峠を越えて長野県佐久町へと至ります。
勧能の分岐点から熊倉川に沿って1kmほど入ると、南牧最奥の集落である熊倉集落に辿り着きます。ここは羽沢よりもさらに耕地面積は少なく、古くから養蚕の他夫役が課せられていました。熊倉川を挟んだ両岸の僅かな土地と斜面に集落が密集し、川沿いには土蔵がならんでいます。廃屋が目立ちかなり廃村の危機に瀕している集落で、あと何年持つか分からない状況です。
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