一路一会>鉄道の旅・鉄路一会>青春18キップで廻る・山陰山陽じぐざぐ鉄道の旅(2) | |||||||||
青春18キップで廻る 山陰山陽じぐざぐ鉄道の旅 |
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広島を出て約3時間、ようやく新山口駅に到着した。まだ真っ暗な時間に宿を出たのにあと少しで昼である。新山口駅は山陽新幹線の「のぞみ」が停車するにあたって旧・小郡駅から改称されたのだが、小郡駅時代を知る身としてはどうもピンと来ない。もちろん新山口の方が合理的ではあるし、当初からそうすればよかったのだが、当時は自治体間の軋轢でそれはできなかったのだ。 山口線はSLなども走るのどかな地方ローカル線のイメージが強いが、山陽と山陰を結ぶ連絡線で、山口県の県都を走る都市近郊路線でもある。新山口(旧・小郡)から益田まで国道9号線に併走する93.9kmを28駅で連絡し、全線非電化・単線の地方交通線。しかし新山口駅で山陽新幹線に接続する為、山陰本線を走る特急はこの山口線をメインルートに変更、実質的な幹線にもなっている。無人駅ばかりであるが。ちなみに国道9号線は言わずと知れた古代から続く「山陰道」である。もっとも交通量は今も昔もそれほどなかったようだ。 山口駅を過ぎると宮野駅からいよいよ山岳線の始まりだ。トンネルの連続、切り通しも最初は面白いが、こればかり続くと飽きてくる。車窓に変化が欲しくなってきた。やがて最初のひと山を超えると念願の小盆地にでた。地福駅で列車交換。鍋倉駅は本州最西端のりんごの山地で駅周辺にもりんご園が広がる。徳佐駅は阿東町の中心地。 「トンネルを抜けると、そこは石見国だった・・・??」2つのトンネルを抜けると、眼下に谷間が広がる。山の斜面を伝いながらゆるやかに勾配を下げていくと、山に挟まれたわずかな土地を埋め尽くすような町が現れる。
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益田から江津までは特急「スーパーおき」を奮発した。この特急で江津に直行しなければ、「今日の」三江線に乗り付けないのだ。地方路線では1時間に1本どころか、2〜3時間列車が1本も走らない路線も多い。そんな中で特急列車や優等列車が運行されている「幹線」や有数の観光地を抱える路線では、特急列車や急行の本数が鈍行列車を上回るケースが多いのである。山陰地域の幹線である山陰本線は、地域ごとの通勤通学の為だけに存在するといっても過言では無い。もっともこれは日本中の地方路線にあてはまる事である。 |
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