一路一会>鉄道の旅・鉄路一会>四国フリーキップで廻る・四国ぐるり鉄道の旅(2) | |||||||||
四国フリーキップで廻る 四国ぐるり鉄道の旅2 |
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窪川駅での乗換時間は7分ほどしか無い。特急を待つホームにはすでに長蛇の列ができていた。そして中村からやってきた特急「南風16号」(46D)もまさかの満員だった。席に座れるはずなく、機転を利かせて前方が展望できる運転席後ろの通路に駆け込んだ。運転室には保線要員が同乗していた。 |
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阿波池田駅にもどったが列車が入線してくるまではまだ少し時間がある。駅の時刻表をながめていたサイクリストが何かを決意して立ち去っていった。 列車を待つ間にあらためて阿波池田駅構内を眺めていると、やはり大きな駅だった。2面4線のホームと駅舎は跨線橋で結ばれている。構内には広い留置線があった。山に囲まれたわずかな土地を駅と線路が独占しているような印象を受ける。 1番線ホーム。16:35発多度津行き普通列車(252D)がやってきた。キハ32-10番台のワンマン列車が3両連結した編成だ。扉がバス用の折り戸となっている名実ともにレールバスだ。車体も鋼製で16m級とかなり小さな気動車である。そして車内はオールロングシート。そんなローカル色ただよう愛らしい車両もちゃんと3両で協調運転できる機能がそなわっている事に、いまさらながらに驚いた。列車を端から端まで行き来すると、運転席が4つもあるのである。当然操作はできないが、機器の表示灯は運転席に連動して点灯していた。 さあ、なんとか1日の締めにローカル列車の旅らしさを取り戻した。阿波池田を出発すると徳島線と併走して佃駅に停車。右手には徳島自動車道が併走している事にいまさらながらに気が付いた。もっとも往路は反対側の席に座っていたのだから仕方がないが。佃駅を出ると吉野川を渡り、大きく「つ」の字を画くように勾配を登っていく。 山の中腹にある箸蔵駅に到着すると、先ほど阿波池田から走り去っていったサイクリストが乗り込んで来た。もちろん自転車は解体して輪行バッグに収納されている。車内には他にも小口径の折りたたみ自転車を携行した旅行者の姿が散見された。私自身、暖かい季節には輪行の旅を行うこともあったが、冬の季節はどうも体温管理が面倒で敬遠がちだった。なによりも手荷物が増えるからだ。 箸蔵駅を出発して、短いトンネルをいくつも抜けると、本日最後の本命しスイッチバックの坪尻駅だ、がなんとこの列車は通過してしまう。駅には下り列車が止まっていた。坪尻駅を出ると土讃線で2番目に長い猪ノ鼻トンネル(2,845)を抜けて香川県に入る。あとは平野部にむけて、点在する谷口集落を繋ぐように下っていく。 讃岐財田駅は小さな集落の駅だがホームは2面3線あり駅舎もある。黒川駅は見はらしの良いホームだけの田んぼの中の停留場。相対ホームの塩入駅で特急列車との待ち合わせの為5分ほど停車。そして琴平駅に到着した。 讃岐平野の夜景を眺めての初詣で四国2日目の旅は終わる。駅から徒歩5分ほどの、旧金毘羅参道沿いに建つビジネスホテルにチェックインを済ませ、「こんぴらさん」山頂を目指した。 |
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